HiHi Jetsのエンタメ論〜SUMMER PARADISE 2021によせて〜

 

 

”Baby,I love you 永遠を 詰め込んだ One Moment

─Never Let Go/チーム・ハンサム!2014

 

突然ですが、わたしはこの歌詞が大好きです。もしかしたら今まで出会った楽曲の中で一番好きなフレーズかもしれません。

「永遠」と「One Moment(一瞬)」は真逆です。正反対です。普通ならこの言葉の意味の矛盾は成立しないのですが、この歌詞においては不思議と成立しています。

言葉では説明しきれませんが、永遠という絶対にあり得ないのに欲してしまうその尊さを今だけでも良いから精一杯楽しもう、といった意味だとわたしは解釈しています(ハンサムというコンテンツを知っている方は共感できるかも)。

 

この「永遠」って、普段のわたしなら絶対信用しません。「一生」とか「ずっと」とかいう類の言葉をあまり好んでいないので。使うときもありますが大抵の場合願望の副詞として添えています。

 

あまり前置きが長過ぎるのもアレなので、本題に入ります。冒頭のネバレ歌詞はただ単に好きなので導入で使えるかな、ってだけで本編とはほぼ関係ありませんので、ハンサム知らなくても大丈夫です。てかハンサム知っているHi担様は是非お友達になりましょう。

 

ここ半年ほどの間に発売されたテキストを読んだりサマパラでの挨拶を聞いたりしてずっと考えていた「アイドルを応援するということ」について少しだけ、HiHi Jetsに特化した形で自分なりの答えが見えてきたので文章にしてみました。ついでにあちこち脱線しました。

前半から中盤で考察しているHiHi Jetsのエンタメ観は結構面白くなっていると思うので是非読んでみてください。後半の方はわたし個人の感覚論が多めなのでおまけ程度に読んでもらえたら。

なおこのブログの文章は完全にわたくしの個人的見解・感想・考察に基づくものですので、読んだ後で「全然言ってること分かんねえなコイツ」って思われるのは構わないですが苦情や批判などは一切ご遠慮します!(って言ってもそんなに攻撃的なことは書いてない)また、違う考えを持つアイドルやオタクを否定する意図は全くございませんので悪しからず。

 

 

HiHi Jetsメンバーの掲げるエンターテインメント像

HiHi Jetsはデビュー前のJr.ユニットながら、自分たちでライブのセトリや構成から振付、演出まで多くに携わっていて、ライブに一番のこだわりを持っています。

自分たちでセトリを決めたりローラー曲の振付をしたりするのは以前から話していたのですが、5月号のSODAでライブの構成作りについてより詳しい言及がありました(嬉しい)!

・曲決め→演出案→歌割り→振付 の順番

ちなみにソロ曲も他4人のOKが降りないと披露できない方式をとっているHiHi Jetsさん

・先輩楽曲のカバーは歌割りも自分たちで決めることが多い

→立候補がいなければ他薦で決まっていく

・振付は歌割りに合わせてメインの人を目立たせるかつ全員がなるべく平等になるフォーメーション、見せ場を作る(振付担当はGarry)

─SODA 2021年5月号

 

歌割りも自分たちで決めていることに対してライターさんが「お互いのことを熟知しているからこその割り方になるのでは」とおっしゃっていて、本人は「何となくで決まる」って言っているけれど、実際カバー曲のパフォーマンスを見るとオリジナルの雰囲気に合わせてきたり、全然違う印象だけどしっくりきたり、自分たちの魅せ方をきちんと理解しているからこそできるアプローチをしているんだなと分かります。

 

そして彼らのエンタメを大きく牽引するのが猪狩さん。猪狩さんはメンバーの中でも一番自分の考えを明言している印象があります。

 「周り、つまり同じJr.内のグループとかの”こちら側”を見てはいなかった。結局俺らは常に”対お客さん”だから。(中略)みんなジャニーズ事務所のファミリーで仲間だから内側であれこれ競争なんて意味がない。結局はファンというか、大事なのはお客さんだから。」

「(前略)俺らの仕事って映画とか本とかと一緒で、こっち側は”作り物”。自分たちは娯楽を提供してるという考え方なの。俺らが提供した娯楽の対価としてお金をもらっているという考え方。それ以外でもなければ、それ以上でもない。」

「俺ら、『自分たちだけで作ってます、ウェーイ!』って熱い思いでやってるわけじゃないから(笑)。自己満足は要らない。客観的に見たときに『自分たちがどうやったらよく見えるのか』『どれだけの人が俺たちの作ったものにお金を払ってくれるのか』という視点で考えてるからこそ、お金を払ってくれる価値を自分たちで作り出さなきゃいけないと言う思考なだけだよ。」

 ─2020年vol.51 STAGE navi(猪狩・作間対談)

 

かなり、自分たちの立場を娯楽を提供する側として明確に区別しています。これまでもライブや自分たちの創作活動に対する考え方に言及していたことはあったんですが、このステナビ対談ではものすごく打ち明けているんですよね。大好きな作間くんとのサシ対談っていう環境によるところもあるとは思うんですが。思うようにライブができなかった2020年、色々なことを改めて考えたのだと思います。

ちなみに引用部分直後、対談相手の作間くんの一言は「すげえな。」でした。この対談は二人の関係性からグループのこと、二人が考えるシンメ論などが猪狩さんの文量多めに盛りだくさんなのでテキスト厨の皆さんは是非読んで見てください!猪狩博士による作間分析も豊富で非常に面白くなってます。

 

また、直近に発売になったSODA(Special Edition Entertainment)のテキストでさらに確立されたライブ作りについての発言もありました。

猪狩「もちろんライブはプライドを持ってやってるけど、俺たちは自分たちでやってる事がプライドじゃなくて、いいものを作ることがプライド。(略)いいものをやる事が一番だから、どこまで自分たちでとかじゃなくて、映像は映像さんがやったほうがいいし、照明は照明さんがやったほうがいい。でもローラースケートを履くなら俺たちがやったほうがいい。たくさんのライブを観てきた大人の方の意見ももちろん聞くし、他のグループと一味違う味、俺たちらしさを出すってなったら俺たちが考えたほうがいい。」

「一流の方々に委託できるのがジャニーズの強みだと思ってるから。(その恵まれた環境)を崩してまで自分たちがやる事にこだわってるわけではなくて。」

「(演出のインスパイアに関して)SMAPとか(略)がかっこいいとかはあるけど、そこから引用するというより刺激を受けて、じゃあそれをHiHiに落とし込むとどうなるだろう、そこにオリジナリティを加えるとどうなるだろうって考える。

─SODA Special Edition Entertainment(8月16日発売号)

 

ライブ構成について

・髙橋「お客さんのテンションだったり俺たちのテンションで、ここはちょっとしんどくなりそうとか、俺だったらこうするっていうのを埋めていって」

・猪狩「(コロナ禍で歓声を出せないライブのため)声を出せないってことはお客さんが観てるだけで楽しいって感じてもらわないといけないし、それに声を出しちゃいけないんたって我慢させないようにしたい」

・猪狩「せっかくお金を払って来てもらってるのに、そういう(声が出せなくて悲しい)想いをさせるより、絶対楽しんでもらいたい。与えられた環境の中でどれだけやるか、どれだけ適応できるかってところでも見せていきたい」

─同

 

自分たちのライブやパフォーマンスに関する考えを聞くと、HiHi Jets「提供するもの」としてとてもビジネス的な視点からライブを構築しているんですよね。あくまで娯楽、観に来た観客が楽しいと思うもの、良いと思えるものを作る事が絶対条件というシンプルながらストレートなポリシーを持っています。

 

現在のジャニーズJr.は自己プロデュース力が問われるコンテンツも増えてきて、「自分(たち)で考えて作り上げる」ことはJr.として世間へのアピールポイントになる強みになると思うんです。実際HiHi Jetsを称賛する声は「自分たちであのクオリティのライブを作ってるのすごい」っていうものが多いような気がします(見当違いでしたらすみません)。でもHiHi Jetsはそこに重きを置いていなくて、いいものを作るためなら使えるものは全部使う!みたいな熱量を感じる。優斗さんがサマパラの挨拶で「使えるもの全部使って」みたいなこと言ってたっぽいのも(曖昧ですみません)、常に観てくれる人のことを考えて最高傑作を求める彼ららしいなと思いました。

あと、一流の専門家に委託できるっていう部分から彼らが周りの大人やライブスタッフに対してリスペクトしている事が分かるし、だからこそ彼らが求める「いいもの」を実現できているんだよなと思います。YouTubeの撮影クルーもいい雰囲気なんだろうなと伝わってきますよね。(思い出すイタリア期焼肉店ロケでの「伝説になるんだろ?」の件)

 

そして前述した5月号のSODAに「目指すグループ像」に対する5人の考えもありまして、優斗さんの言葉が非常に分かりやすく良かったので引用します。

”僕たちに”じゃなくて”僕たちが作り出したものに”ちゃんと価値が生まれるよう、仕事や作品の完成度は求めていきたいですね。そうすればエゴに溺れないと思うんです。有名になりたいとか人気者になりたいとかも、なくはないけど(笑)、そこじゃなくて僕たちから生まれる作品に価値を見出してもらえるようなグループになりたい。

─SODA 2021年5月号

 この優斗さんの言葉については後ほど詳しく書きます。

 

こう言った発言から、HiHi Jetsはジャニーズアイドルの仕事の中でもとりわけライブなどの創作活動に「受け手側(=ファンであるわたしたち)」への意識を強く持っていて、また自分たちの作品に対してプライドがあるのだと思うんです。本人たちが言うように決して自己満足だけではないけれど、グループの感性やオリジナリティに対して自信と誇りがある。それはこれまでの活動を通して得た有形無形に関わらない評価や、絶対的な唯一無二の人物であるジャニーさんからもらった言葉たちに裏付けされているのではないかと。

 

これは担当の贔屓目でしかない発言なので当たり前と言えばそうなんですが、HiHi Jetsのライブって本当に隙がないんですよ。一瞬も飽きない。特によくHi担が言うのは「セトリの組み方と曲のつなぎが上手い」。こういう感想が出るってことは、本人たちがもちろん大人の手も借りて協力しながら観客側の気持ちを想定して置いてけぼりにしないようなライブ構成を意識しているってことじゃないですか(前述引用のとおり)。去年夏のサマパラ配信も、同じライブなのに日替わりと回替わり混ぜてきて、投票機能も駆使して、8公演あってどれ一つとっても同じセトリの回がないようになっていたんです。本当にひとつひとつ拘って作ったのだろうなと感激した思い出があります。

 

他の人・グループとは違うことをやる、先輩とは被らない何かを求める。彼らのオリジナリティの探究心はこういった精神からきていて、常にファンの求める需要を照らし合わせて供給するエンタメ作りに向き合っているからこそ、わたしたちファンは毎回期待以上のパフォーマンスに高揚できているのだと思います。

 

ENTERTAINERの歌詞を読み解く

ところで、去年のサマパラで猪狩・井上が披露したオリジナル曲『ENTERTAINER』はご覧になりましたか?惜しくも見逃してしまった方、かなり人生損してます。(わたし調べ)残念ながらまだ少クラ披露もかなっていませんので、一緒にお祈りして待ちましょう。(YouTubeのサマパラ配信の密着映像で少しだけ様子を観ることができます!時間指定済。11:07から本番の様子も有り)

youtu.be

 

この曲は猪狩さん(THE GARRY)が作詞・作曲したオリジナル曲です。サマパラ開幕の数日前にISLAND TVにて予告動画(HiHi Jets「firstballet」 | ISLAND TV)が上がり、オタクはいったい何が起こるんだと顎を諤々言わせながら怯えていたのが懐かしい。

歌詞は調べれば全部文字起こししている方がいると思いますのでそちらでご覧ください。

 

歌詞の内容は、アイドルとしてかなり前衛的だと思います。THE GARRYの歌詞は社会風刺的な傾向もあるので、好みは分かれるのかな?と思いますが、わたしはめちゃくちゃ好きです。

演出がまた最高で!白と黒の対比、ステージに置かれた2つの玉座、世界観に合わせた衣装…。今はこの2人のコンビ通称ずきうや(わたしは頑なにそやみ派)として人気だと思います。表向きのイメージだと瑞稀が白で猪狩が黒っぽいんですが、この曲では瑞稀が黒、猪狩が白なんですよね…(最高)。

 

それで、今回はこの曲の後半にある一部パートの歌詞に焦点を当てて少し解釈を展開してみます。わたしは普段相互フォロワー以外のツイートや文章を読まないので似たようなことを言っている人が既にいるとは思うんですが、あくまでわたし個人の解釈なので悪しからず。

 

SNSじゃ誰もが有名人 じゃ上がってみるか俺らのSTAGE

無理は承知でも進める秒針 窮地で笑えて俺らの境地

時期は選ばず開花 欲に溺れちゃただのLiar

手出したらやりきるしかねえさ 忘れるな俺らは「ENTERTAINER」

 

SNSじゃ誰もが有名人」

デジタルネイティブ世代が増えてきた今の時代、YouTubeInstagramTikTokなどのSNSツールで人気になり多くのフォロワーを抱えている人がたくさんいるのはご存知だと思います。この歌詞は芸能事務所に所属したりオーディションを受けたりしなくてもほんのひとつのアクションで有名人になれることを指していると感じられます。

 

「じゃ上がってみるか俺らのSTAGE」

キターーーーーーーー!!!!!めちゃくちゃパンチライン!!!!!初めて聴いたとき良過ぎて痺れました。

「俺らのSTAGE」は単なる場所ではなく、ジャニーズという歴史と伝統ある事務所の後輩としてそれらを背負う環境込みの今の立場だと思います。

「じゃ上がってみるか」は「それじゃ」とか「じゃあ」ではダメなんですよ。「じゃ」なんです。日本の芸能の歴史において半世紀以上圧倒的な存在感を有してきた事務所のその全てをいずれは自分たちが背負っていく、そんなこのステージにSNS上がりの有名人の皆様は立てます?っていう、アンチテーゼみたいな…。この「じゃ」にはかなり強い想いが込められているんじゃないかと勝手に読んでいます。

今書いてて思ったんですけどこれ大丈夫ですかね?誤読されそうで怖くなってきた…作詞者本人の意図は全く分かりませんし今のところどの媒体でも解説されてないので完全推測であることを改めてご了承くださいね…。

ちなみに猪狩さんは有料コンテンツJohnnys webでサマパラ直後のブログに感想をしたためていてこの曲のテーマについては言及しているのですが、何せ「有料コンテンツの特権」として教えてくれたことなので泣く泣く伏せます。テーマ、久しぶりに見たら強過ぎて笑っちゃった。

 

「欲に溺れちゃただのLiar」

今思うとSODAの優斗さんの発言とリンクしてて怖い。

 

「手出したらやりきるしかねえさ」

もう後には引けない、ジャニーズとしての覚悟を感じました。この一年でさらに結束したHiHi Jetsなので説得力がある。

 

「忘れるな俺らは「ENTERTAINER」」

彼らがアイドルとエンターテイナーを分けて考えているかどうかっていうのはちょっと分からないんですけど、エンターテイナーという肩書きにこだわりがあるように思います。やっぱり自分たちが作るものは娯楽だという意識が根底にあるからでしょうか。

このフレーズは自戒もあるのかな?と思うんですが、自分のことを応援してくれているファンが一人でもいる以上その応援に見合ったものを提供するという、自己満足に終わることへの批判も含んでいるような気がします。

 

今回はブログの内容に沿う部分だけ読み解きましたが、いつか一曲丸ごと砕いてみたい…。この曲からも、やはり彼らのアイドルとしての姿勢のあり方が読み取れました。

 

SUMMER PARADISE 2021のセトリに思うこと

先日完走した(祝!)サマパラ2021のセトリの中で特に好きな流れがあって。全体のセトリは検索かければすぐに出てくるのでそちらを見ていただきたいのですが。

ジャニーズのライブにおいて、メンバーソロは中盤までで全員分終わるようになってると思うんです。つまりソロが全て終わったらライブもラストスパートと捉えていいはず。

今回のサマパラのソロは猪狩さんのピアノ演奏披露→オリジナル曲Klaxionが最後で、その後次のように続きます。

・Make you wonder

HiHi Jets

(挨拶)

・駆ける

2年ぶりの有観客、ドーンから待ちに待った単独、(偶然だけど)なにわ男子デビュー発表を受けて次のデビュー競争の幕開けのタイミングなどの要素が重なった今回のライブ。

そんな色んな想いが込められているライブのクライマックスにこのセトリって‥…なんでそんな最適解出してくるんだよ、情緒の鬼だよ…。

 

Make you wonderは2019年のドリボでもらった(一応HiHi Jetsの)オリジナル曲ですが、ライブでの5人での披露は初めてで。ドリボの途中から3人で披露していたこともあり、やっぱり”5人でパフォーマンスしている”ということ自体にすごく重みがあるんですよね。

それにこの曲ってHiHi Jets(曲)と呼応している部分があるというか、多分HiHi Jets(曲)第2章みたいな立ち位置なんですよ。歌詞が強い。ずっとオタクの涙腺と闘志を刺激してくるパンチラインしかない。この曲で会場のボルテージ一気に上げて来ます。なんたって「Take you to the top」ですから。彼らがこの先駆け抜けていく姿を想像するだけでオタクって泣くから。

ちなみにわたしはサマパラの中でKlaxionからMYWに行くときの「Take you to the top」の繋ぎが一番好きです。

 

その後に来るのがHiHi Jets(曲)って、正気!?!?!?!?!?!?

HiHi Jetsと言えば、な言わずと知れた代表曲。おそらく一定時期のJr.担は歌詞を見なくてもC&Rまで完璧なんだろう。人によってはここ数年で親の声より聞いてるだろうこの曲。

「JETなDOするLIFEなう」って、トンチキな印象が強いかもしれないけれどこれはつまりHiHi Jetsを利用して人生を楽しむ」ってことと同義なんじゃないかと思う(詳細は最後の方に書いてあります)。HiHi Jetsと一緒にこれからも楽しいこといっぱいやろうねって言ってくれているように感じられて、ああこの曲は月へ行くロケットなんだな、と思った。

 

「いつか月でライブしような!!!!!」ってテンションぶち上がったところで挨拶、しかもBGMにto the moonなの完全にオタクを泣かせに来てて辛い。to the moonいつか絶対生で聴きたい。

 

しっとりとそれぞれの想いを聞いて噛み締めようとした次の瞬間、駆けるが始まるんですよ。

オタクの情緒をどうしてくれるんだ…そんな、”誓い”を歌わんでくれ…こっちも一生を誓いたくなってしまうやろがい‥。

駆けるは覚悟の曲だと思っていて。この曲が初披露されたのは2020年3月29日に配信されたHAPPY LIVEだったんですけど、この配信って春祭りが中止になった代わりにデビュー組に混ざって時間もらえてパフォーマンスしたんですよね。つまり本来は春祭りで初披露する予定だった曲なはず。

春祭りは、タイミング的に再始動の意味合いが意図してなくても付随するライブだったと思います。そのライブで初披露しようとしていた新曲が駆けるだったことを思うと、この先も5人でやっていくという覚悟、闘志が見られるこの曲はHiHi Jetsにとってすごく気持ちのこもったものなんだろうなと思ってます。

 

そして、この3曲に通ずるものって、「夢」なんですよ。

HiHi Jetsの掲げている大きな夢、それは「伝説になること」。これだと少し抽象的過ぎるかもしれませんが、その中には「自分たちのエンタメの価値を見て評価してもらうこと・楽しんでもらうこと」があると思うんです。多分。

ENTERTAINERとしてのプライド、「いいものを作る」という絶対的なこだわりを貫いて、ファンに提供して楽しんでもらう、それをこの5人で追求し続けたいという想いが、このセトリから読み取れるのではと感じました。

 

そして現場に入って1秒も飽きる暇のないHiHi Jetsのライブの世界を通して、 テキストで読んできたエンタメ観を実際に体感できました。すごい。”魅せる”という意思がビシビシ伝わって来て痺れてしまった。2年ぶりにファンと対面できるのにファンサ曲多めにしないでそれどころか幕で顔見えない演出やるの、超攻めてて常に挑戦し続けるHiHi Jetsって感じでめちゃ好きだった。ファンを楽しませる演者としてはもちろん、作品を作る製作者としても明確に自分たちのモノにするという強い気持ち、グループとして意思の貫徹を感じられたライブで、「ああまたHiHi Jetsを好きになってしまった…」と頭を抱えました。

 

アイドルを応援すること

ここからはわたしの感覚的な話が多くなりますので、おまけだと思ってください。

個人的な話ですが、アイドル(もっと言うとジャニーズ、さらに言えばジャニーズJr.)は他の芸能人に比べて応援するのが難しいと思っていて。

誰かを応援するのって自分じゃない人に時間を使うことじゃないですか。加えてライブに足を運んだり、CDや雑誌や写真を買ったり、BSやWOWOWに登録したりオタクと遊んだりなどめちゃくちゃお金がかかる。そして侮れないのが自分自身のコンディションですよね。体力、気力、精神力がとにかく必要な趣味だと思います。

そして、それらが全部揃っていても、自分の興味や好きだけで応援を継続できるわけじゃない。アイドル本人の活動の変化や、他のオタクの言動など、様々な外的要因から応援するのが辛くなることも多いと思うんです。

 

そもそも、「アイドルの応援」自体の定義が曖昧ですよね。応援の仕方は人それぞれだし、お金の掛け方も時間の費やし方も違う。なのに人間はどうしても無意識に自分のものさしで物事を捉えてしまうために「普通」「普通じゃない」が生まれ、度々論争が起こるんだと思うんです。できるだけ彼らのことを熟知していたい、誰よりも深く長く知っていたいという欲求はある種当然の感覚ではあるのですが、経験値からしてその感覚でオタクやってると続きません。「好き」が義務になってしまうからです。…と続けたいところですが今回はおいておきます。

 

そして最近わたしが気になっているのが、”生身の人間を娯楽として消費”していること。

応援している中でメンバー間の関係性に萌えたり、その人の生い立ちを把握したり、外見や性格について言及したり…上手い表現が出てこないんですけど、言ってしまえばこうして彼らについて考察しブログを書いていることも、本当はよくないのではないかと。

アイドルとして青春期を捧げた代償に、プライベートな一人間としての彼らの人生を奪ってしまっているのではないか。たらればになってしまいますが、もしジャニーズに入っていなかったら…を考えると勝手に申し訳なくなります。友情も恋愛も将来の夢も、失ったものが多いのではないかと。

 

この話って結局終着点がないんですよね。正解なんて誰にも分からない。アイドルたちはその代償を分かった上でスターになるという夢を追いかけて活動しているわけだし、雑誌やYouTubeでのプライベートっぽい姿もあくまでアイドルとしても自分でいるわけで、それも娯楽提供の一部として捉えても悪くはないとは思うんですけど。

やっぱり彼らが少なからずプライベートを削って活動しているという点は否めないので、できればそこよりもラフに、なるたけ表面上をすくって応援していきたいという思い(いわばオタクとしてのわたしの目標)があります。

 

ここで、前に引用した優斗さんの発言に戻ります。

”僕たちに”じゃなくて”僕たちが作り出したものに”ちゃんと価値が生まれるよう、仕事や作品の完成度は求めていきたいですね。そうすればエゴに溺れないと思うんです。有名になりたいとか人気者になりたいとかも、なくはないけど(笑)、そこじゃなくて僕たちから生まれる作品に価値を見出してもらえるようなグループになりたい

─SODA 2021年5月号

 

これって、めちゃくちゃわたしの理想に合ってません?

「”僕たちに”じゃなくて”僕たちが作り出したものに”」は、視点を変えてみるとわたしたち消費者は”彼ら自身を”ではなく”彼らが作り出したものを”娯楽として消費する、ということではないでしょうか。彼ら自身を消費することの方が、深さで言えばより深い下の方にあって、後者は上の方の表層部分に当たると思うんです。

前述したように人間は欲深い生き物なので、深いところに手を伸ばしがちです。しかしそれは個人的には避けたい(疲れるので)。でも風潮としてはなるべく知っている方が、時間やお金をかけている方が、立派な・まともなファンだと思われがち。

しかしどうでしょう。優斗さんのこの言葉は、コアファンの存在を否定することなく「パフォーマンスや動画を観るだけ」「曲を聴くだけ」という人を認めてくれている。彼らの作品を享受するひと全てを平等にみてくれている

 

それに、自分たちが作るエンタメに誇りを持っていることも分かります。このテキストを読んだとき、普通に軽い気持ちで前半を読んでいたので急にわたしの核の部分を突かれてリアルに雄叫び上げました。そして唸りましたね、どうしたってこの人たちが好きだ…‥……。

責任とプライドと挑戦が詰まったHiHi Jetsとしてのアイデンティティ。それが彼らの作り出すパッションあふれるエンターテインメントなのだと改めて感じました。

 

 

”一生”のはなし

冒頭で少し話したように、「一生」「永遠」「ずっと」という言葉が得意ではありません。

これまで20年生きてきた中で半分以上なんらかのオタクをやってきていますが(恐ろしい事実)、ハマって2年くらいするとほどほどに飽きてくるという自分の興味サイクルに気づきました。2年の間は「永遠に好き!ずっとついてく!!!!」みたいな気持ちで本気で応援できるんですけど、2年経つと嘘みたいにスッと冷めていくんですよね。だから何年も同じ人を最初と同じ熱量で応援できる人がめちゃくちゃ羨ましくて。

余談ですがこの夏でHiHi Jetsを好きになって2年が経ちました。ハマりたての頃ほど分かりやすくキャーーーー‼️ってなることは少なくなりましたが、今のところ熱が冷めた感じはなくて安堵してます。だってあんな楽しいサマパラ入っちゃったらさ、冷めるどころかまた上がるしかないじゃん。

 

結局の話、「永遠」ってないじゃないですか。人間は常に気持ちが変化していくものだし、アイドルもオタクもずっと同じところにとどまることなんて良くも悪くもできない。

アイドルの非永遠性っていうのは、ここ数年のジャニーズだけをみてもよく分かると思います。解散、脱退、活動休止など…。いつ何が起こるか、どうなるかなんて分からない。明日突然いなくなってしまうことだって、特にJr.はそれが当たり前の世界ですよね。

 

わたしは元々、何かを始めるときにどうしても「終わり」を意識してしまう人間なので、できれば新しい沼を増やしたくない…熱が冷めてしまうのが怖いから。その怖さを何度も経験してきているから。高い熱量で応援していた当時の自分と、その時の相手をも否定してしまうような気分にもなるんです。好きじゃなくなるのが裏切りだと感じてしまう。なら好きな人を増やすだけでいいじゃん降りなくていいじゃんって思われる方もいると思うんですけどわたしの性格上これ以上同時進行で誰かを応援することはできないと悟ってしまったので…。あのとき出会っていなければ、この別れのつらさを味わわずに済んだのに…と、どうしても思うことになるんですよ。

 

でも、HiHi Jetsのエンターテインメントに対する考え方は、この恐怖を取り除いてくれるような気がするんです。

アイドル自身とライブをはじめとする作品を分けて捉えることで、将来どんな形になっても、今彼らを応援しているということ(将来からすると過去)を否定しなくて済むのではないか。ひとつひとつの作品が個別の思い出となり、そのとき自分が好きだと感じたものを綺麗なまま保存することができるように思います。いつか彼らを今と同じ熱量で応援できなくなっても、ゆるりとかいつまんで見ていくことも受け入れてくれるような感じ。

今、100%感覚で話しちゃってるので自分でもよく分からなくなってますが、投げやりで続けます。

それから別の話になるんですけど、彼らが言う「ずっとこのままの関係性でいたい」みたいな発言も有言実行タイプのグループなのでわりと本気でそうなると思ってしまうんですが(そして単なるオタクの盲目でもある)、HiHi Jets自体若さやローラーパフォーマンスに付随する勢いやエネルギーがあるので、今のままではいられなくてもどうかより心地良い関係性になってくれよな…と願うばかりです。

 

HiHi Jetsを応援するということ

長々と持論を書いてきましたが、わたしにとってHiHi Jetsを応援するということはどういうことか。

もちろん精神的支えにもなるし、つまんねー大学生活に彩りを添えてくれる大切な存在であることは前提の上ですが。

2020年、コロナ禍で一気に日常が日常でなくなったように、いつ自分の人生が急変するか分かりません。常に現状維持を求めるわたしにとってそれは相当なストレスで、多分あまり首を突っ込みすぎると趣味で楽しみであるはずのアイドルの応援が重荷になってしまうと思います。

 数字を出す、声をあげる、反応を届けさせるといったこともちろん彼らの活動を大きく支えることに間違いはないと思うのですが、わたしはHiHi Jetsが作るエンターテインメントをありがたく享受し、自分のペースで純粋に楽しむことが積み重なって結果として応援になっている、くらいの感覚でいたい。HiHi Jetsがいないと死んでしまうほど生活の主軸にして依存するのではなく、HiHi Jetsがいるから明日がより楽しく生きれる、と思いたい。

そしてHiHi Jetsの持つエンタメ観はそんなスタイルを肯定してくれるのではないかと。

 

サマパラの挨拶で猪狩さんは「僕たちの存在を利用して人生を楽しんでください」と言ってくれるんです。そんな風に自分たちのことを提供してくれる優しさがたまらなく好きです。人生を最高に近づけるためにHiHi Jetsを利用させてもらえるんですよ。そんなこと言ってくれるなら、こちらも全力でHiHi Jetsを好きな時間を楽しみたいですよね。

 

 そして結局わたしは、サマパラを経て当分HiHi Jetsから離れられそうにないなと思いました。テキストで言っていたエンタメ作りに対する姿勢を全部の瞬間から感じて、HiHi Jetsのエンターテインメントがすごく楽しくて、本能で”最高”を浴びてしまったので…(言語化できないこの余韻)

 

2年前の夏、「伝説になります」と誓ってくれたこと。7月30日のYouTube生配信で、優斗さんが「最速でデビューを掴みます」と力強く宣言したこと。5人が口を揃えて「この5人でいたい」と伝えてくれること。

全部全部忘れない。こんなに手堅い宣誓をくれる、ワクワクする未来をくれるHiHi Jetsが心から愛おしくて、悔しいけれど「できる限り一生応援していたい」と思ってしまうから、まだしばらくは楽しくHiHi Jetsのオタクをやっていこうと思います。

 

 

HiHi Jetsの皆さん、SUMMER PARADISE 2021完走おめでとうございます!そしてEys of the futureのMV公開おめでとう&ありがとうございます!

時は21年、伝説を作る瞬間を体感できて嬉しいです。遠くない未来に、笑顔のままでまた会えることを楽しみにしています。

 

待ってろ9月の新橋演舞場!待ってろ11月の代々木〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

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